12,955人
12,955人。
これは、2019/2020シーズンにおける季節性インフルエンザで入院した日本国内の患者数です(ちなみに、2018/2019シーズンでは、20,607人です)。
さて、この12,955人の年齢内訳(カッコ内は、2018/2019シーズン)は、
1歳未満:740人(831人)
1〜4歳:2,327人(2,420人)
5〜9歳:2,016人(1,509人)
10〜14歳:700人(549人)
15〜19歳:129人(153人)
20〜29歳:151人(247人)
30〜39歳:257人(324人)
40〜49歳:389人(470人)
50〜59歳:548人(760人)
60〜69歳:1,101人(1,861人)
70〜79歳:1,917人(3,864人)
80歳以上:2,680人(7,619人)
ここ10数年間、私は季節性インフルエンザなどの医療分野だけでなく、このような数字のいくつかを継続して見続けています。この数字一つとってみても、色々なことに気付かれると思います。
例えば、
1)季節性インフルエンザは高齢者が重症化するイメージがありますが、入院レベルでは、実は、10歳未満の方が重症化していること。
2)全体の入院患者数が約60%に減少している中であっても、5〜14歳の年代は、2019/2020シーズンで増加していること。
3)逆に、70歳以上の入院患者数が約40%まで激減していること。
以上の季節性インフルエンザのデータのみだけではありませんが、こういった事実を踏まえると、医療費福祉助成の目的(乳幼児に対する医療助成の目的)や季節性インフルエンザの予防接種の必要性(学校などの集団生活における公衆衛生上の措置の範囲)などの政策の優先順位を理解する一助となると思います(「エビデンスが無いから止める」とか、「住民からの批判の声が多くなったからやる」とかとはやや異なったレベルですね(笑))。
ただ、1)〜3)の数字だけで、「新型コロナウイルス感染症」の影響と短略的に結び付けるのは、少し危険だと思いますのでご注意下さい(例えば、「高齢者は「新型コロナ」に警戒して、外出を控えたので、入院患者が激減した」と断定するようなことです)。