石原まさたかの痛快!風雲日記(2.0)

使い方は追々考えます(笑)

前受金の取扱

昨日の拙ブログで「地域振興券」や「プレミアム商品券」のことを取り上げ、事業に対する「プレミア率」つまり税金の割合について触れました。私は消費税のことを考えて、実質30%(見かけは40%)が妥当ではないかと申し上げました(要するに「3割引」になると購買意欲が上ると言われています)。

 

経済施策は、財政と金融の大きく分けて二つのやり方があります。いずれも、税金を効果的に用いながら、消費者や金融機関と連携し、事業者を支援する方法が取られます。余程の緊急事態であれば、現金を給付することも吝かではありませんが、それは事態の初期段階の迅速性が要求される場合であり、時間の経過とともに、事態に即した(つまり、所得制限や売上減少、事業規模など)対応をしなければ、税金の効果が減少してしまいます。

 

地域振興券」に関しては、税金の割合以外にいくつかの留意すべき点といいますか、検討しなければならない点があります。その一つは対象です。これまでの「地域振興券」においては、地域全体の活性化を目的としていたことから、50〜100、場合によっては1000近くの店舗や事業所で使うことの出来る共通券(「複数店タイプ」)として発行されていました。

ただ、今回の「新型コロナウイルス感染症」下においては、同じ「地域振興券」(「さきめし」含む)であっても、個々の店舗や事業所でしか使えないタイプ(「1店タイプ」)のものが登場しました。

これは、同じ「地域振興券」であっても似て非なるものです。特に、決済時期が全く異なり、「1店タイプ」は先に資金が入ります。消費者から見れば、個々の店舗を応援するという明確性がありますし、店舗から見れば、資金繰りの厳しい時期を乗り切るという金融的側面からの支援となります。店舗側から言うと前受金となり、平時の売上を考慮しないと後々、先払いしたお客だけを取り扱わなければならなくなり、実質の売上がゼロという事態が生じる可能性もあります。

また、店舗側の関係者が、自らの店舗の「地域振興券」を購入出来ないようにしなければなりません。もし、「マッチポンプ」のように自己購入が可能であれば、「プレミア」分が労せず手に入ることにもなります。他にも倒産リスクを事前に周知しているのかや、倒産の場合の清算方法、それを解消するための寄付の性格を有していること、与信なき融資の類であることなど、制度設計には留意しなければならない点はあります。

 

しかしながら、税金をそのまま渡すよりは、地域経済の活性化や緩やかな市場原理を導入しているという点で選択すべき施策ではあります。