赤いナイロン製の布のなぞ
医療法人社団元気会 横浜病院 さんでは、人材育成にも積極的に取組まれており、金額に換算すると、職員の教育研修費だけで職員一人当たり約10万円ぐらい、全体経費としては2000万円以上をかけています。
新規に採用された介護職員は、専門的な知識と技術を習得するために3ヶ月間社内研修を行います。これ以外にもスキルアップのための研修が頻繁に行われており、小生がお邪魔した際にも、最高レベルの技術を習得した職員の皆さんが、さらなる技術レベルの向上のために新たな研修メニュー創設のために試行錯誤を繰り返してみえました。
どいういうことかと言いますと、この病院では、介護職員の技術などのスキルを指標化し、項目を定めて品質を確保することに取組まれており、より現場の課題解決につながるようなスキルの習得のための仕組みを、自らの手で作り出そうとしているということです。この日は、尿道カテーテルを付けた患者さんのベッドシーツを交換する一連の行程をいかに指標化するかにチャレンジされていました。
そのために外部講師のもとで、一連の動作のチェックリストを作成し、それに基づいて動きを確認しながら、スタッフで話し合いをして、中身をブラッシュアップされていました。
その研修風景を拝見していると、ナイロン製の赤い布が目に留まりました。早速、「あれはなんですか?」とお尋ねすると、「患者さんや要介護者さんがベッド上で移動する際に、介護者の手助けをするものです。あの布のおかげで、介護者が腰痛になることはなくなりました!」とのこと。
「そんなバカな(笑)」という訳で、実際にやってみることに。
あら不思議。と言いますか、予想をはるかに超えるぐらい力が要らなかったために勢いがつき過ぎて、要介護者役の方を怪我させるところでした。たった1枚のナイロン製の布によって、介護者の作業が楽になり、要介護者の負担も軽減されるのであれば、費用対効果としても大きいと感じました。