石原まさたかの痛快!風雲日記(2.0)

使い方は追々考えます(笑)

民話と絵本、時々キングコング西野さん

22日(日)に 第1回菰野町手づくり民話絵本コンクール2016 の表彰イベントが開催され、出席しました。

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この絵本コンクールは、菰野町に伝わる民話を題材として作品を募り、第1回目は「菰野富士」でした。全国で開催されている絵本コンクールの中でも民話を題材に設定しているのは珍しく、民話語りが活発な菰野町らしいコンクールだと思います。

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絵本はおとなの部として募集し、全国から22作品が応募され、最優秀賞には、吉原結花さんの「菰野ふじ」が選出されました。吉原さんは、実際に菰野富士に登るなどし、「菰野富士の気持ちになって」作品を制作されたそうです。

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併せて、子どもの部として絵画も募集し、全国から30作品が応募され、最優秀賞には、水谷伊織さんの「菰野ふじたん生のしゅんかん」が選出されました。

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表彰式の後に、絵本作家として話題の 西野亮廣さん(芸人:キングコングの西野) による記念トークショーが開催されました。タモリさんに勧められて絵本の制作に取り組むようになったことや中学生時代に描いていた絵の話、絵本作家としての今後や作品構想などをユーモアを交えながら話していました。

えんとつ町のプペル』のコンテンツをインターネット上で無料公開した直後であり、その思いを熱く語っていたのが印象的でした。そもそも「2,000円は高い。自分で買えない」という小学生の言葉がきっかけとなり無料公開に踏み切ったということですが、これは、図書館という公共施設や古本屋(インターネット上の流通も含む)などの存在を考慮に入れると、少々ストーリーに無理があると思います。

ただ、きっかけはきっかけとして、その後の西野さんの論調を追いかけると、本、中でも絵本を購入する動機づけという意味からは興味深い試みであったと思います。今回の論点は、インターネット上の二進法の世界と実体としての絵本の価値の違いに着眼している訳ですが、その延長線上には、美術館所蔵の作品集と実際の美術品との価値の違いや、デジタル化された音源とコンサートなどのライブとの価値の違いをどのようにして貨幣価値に換算するかということに繋がっていくと思います。

また、経済的観点から考えるならば、表面的制度上、書籍の流通の世界には、アダム・スミス的な価格決定機能はない、つまり、いかに多くの人が欲したとしても2,000円という価格が変動して需給バランスが均衡する訳ではないので、このような一種のプロモートが起こり得るのだと思います。しかしながら、このことを逆に考えるならば、仮に2,000円×3万部が目標であれば、10,000円×6千部という1冊そのものに価値(あくまでも貨幣的価値ですが)を持たせるということもあり得る訳で、「無料は買った人が損をする」とか、「無料ではお金の価値がわからない」といった巷間指摘されている反論は、極度に表層的だと言わざるを得ません。

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トークショー終了後のサイン会も一人ひとりに対して丁寧に接して頂きありがとうございました。また、コンクールの企画、運営などに関わって頂いたすべての皆さんに敬意と感謝を申し上げます。

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