石原まさたかの痛快!風雲日記(2.0)

使い方は追々考えます(笑)

追悼、佐々木一先生

過日21日(月)にお亡くなりになった、菰野町名誉町民であり、郷土史研究家である佐々木一先生の葬儀告別式が、本日23日(水)の11:00から営まれました。あの柔和ですべてを包み込むようなお人柄にもう接することが出来ないと思うと、ただただ寂しい限りですが、在りしの佐々木一先生を偲び、心からのご冥福をお祈り申し上げますとともに、ご遺族ご親族の皆さまにおかれましては、衷心よりお悔やみ申し上げます。

以下、佐々木一先生のご遺徳を称え、葬儀告別式にて僭越ながら申し上げた弔辞を引用致し、哀悼の意を表します。

イメージ 1

弔辞

 本日ここに、菰野町名誉町民 佐々木一先生の告別式が厳粛に執り行われるにあたり、菰野町を代表して謹んで哀悼の意を表し、お別れの言葉を申し述べます。
 郷土菰野の先人たちのためにご尽力された先生のご逝去は、暗夜に灯火を失った思いでうたた寂寥を感じるものであり、ご遺族の皆様に対し心よりお悔やみを申し上げます。
 昨年11月の菰野町名誉町民顕彰式典では、正装に身を正されとてもお元気そうで、先生のお人柄と独特の語り口調で会場の雰囲気を柔らかい温かなものにしてくださりました。ただお一人の存命の名誉町民としてその長寿をお祈りしておりましたのに、実に本町にとって痛惜の極みであります。
 佐々木一先生は、先人に対する畏敬の念ともいうべき責任感から、戦後の目覚しい経済成長のかげでともすれば貴重な郷土資料や民俗資料が消滅・埋没するのではないかという危機感を抱き、資料の収集や調査、郷土資料館の開設運営、菰野町史の編纂、郷土学習の普及活動を通じて、郷土史の継承に力を注ぎ、その大切さを町民に広くお伝えいただきました。
 毎月発行の町広報紙における「歴史こばなし」は、町民の誰もが知る佐々木一先生を代表する著作であります。この地の庶民が精一杯生きてきたおかげで今が成り立っていることを紹介したいという思いから、昭和53年1月号に第1話が掲載されて以来、本年3月号の第431話まで36年間にも及ぶ長きにわたる執筆活動を続けていただいたことに対し、改めて敬意を表するとともに、心から御礼申し上げます。
 このような先生のご功績に対し、昭和62年度に三重県文化奨励賞、平成5年度に三重県平成文化賞、平成8年度に菰野町功労章、平成17年度に県民功労者表彰、平成23年度に文化庁から地域文化功労者表彰を受けられました。そして、平成25年9月2日に菰野町名誉町民の称号がすべからく贈られたところであります。このご功績は、菰野町の歴史の中に燦然と輝き深く刻まれ、後世にも必ず伝承されることでしょう。
 ここで、私事になり恐縮でございますが、以前先生から「これと男が決めたらそれにかじりついて放さぬこと。私は何の能もなく、ただ郷土史の研究を一生の仕事と決め遮二無二に打込んできた。人には負けても自分に負けないこと」という生涯忘れ得ぬお言葉をいただいたことに深く感謝 しております。
 申し上げれば限りもなく、惜別の情は尽きませんが、在りし日の佐々木一先生を偲び、ご参列の皆様と共に、ここに謹んで哀悼の意を表し衷心よりご冥福をお祈り申し上げ、お別れの言葉といたします。
 佐々木一先生、今までお疲れ様でした。そして、ありがとうございました。どうかいつまでも、菰野町の歴史を見守っていてください。
   平成26年7月23日
                                 菰野町長  石原 正敬

イメージ 2