石原まさたかの痛快!風雲日記(2.0)

使い方は追々考えます(笑)

地域医療における「燕雀不変顔」

過日、本年4月1日から発足する 三重北医療センター の発足記念式典に出席しました。

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この三重北医療センターは、JA三重厚生連 が母体である 菰野厚生病院いなべ総合病院 の両病院が、診療連携の強化及び診療機能の分担、集約に取り組むことを目的に組織されました。

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この日は、深い関わりを持つ、名古屋市立大学 の学長である郡健二郎さんや名古屋市立病院長である城卓志さん、大学院医学研究科長である浅井清文さんなども出席し、今回の連携強化に際し、大きな課題になっている医師確保についても支援をしていくことをお約束されていました。

ただし、そのためには、三重北医療センターの組織強化や設備の充実が必須であると強く感じました。従来から指摘されていることですが、医療制度改革の名のもとに、平成16年(2004年)新たな医療臨床研修制度が導入され、最新設備の整った大都市の大病院に研修医が集中し、地方の公立病院やともすれば大学病院の研修医が激減し、医師不足が顕著になり、設備投資の出来ない公立病院が閉鎖に追い込まれる事態が起こりました。確かに、医師法に基づく医師の社会的使命はあると思いますが、このような医師の偏在に対して政治や行政は、適切な医療体制を構築しなければなりません。肝心の病院が存在しなかったり、医師不足のために診療科が閉鎖されたために、救急搬送の受け入れが出来ずに生命が失われるといった事態は、根本的でかつ重大な問題だと思います。医師不足によって救急搬送の受け入れが不可能になることは、過疎地域の病院の問題ではなく、菰野厚生病院やいなべ総合病院などの足元でも起こりつつある問題です。

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この三重北医療センターの発足に当たり、ポピュリズムに傾倒する前に、個々人の損得勘定よりも医療体制そのものに目を向けた議論が進展することを期待しています。本当の危機的な問題は、現実になるまで気付かれないものですが・・・。

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