石原まさたかの痛快!風雲日記(2.0)

使い方は追々考えます(笑)

雨量639ミリ/日の世界

テレビやマスコミなどでも報道されている通り、2日(火)の昼過ぎから当町は猛烈な豪雨に見舞われました。
ある報道機関によると過去25年間における三重県内での日量の最高雨量であったようです。尾鷲市という日本一の多雨地域を抱える三重県での記録的な豪雨というのは、相当なものだと思います。

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上記の写真は、山からの大量の土砂が河川に流入し、岸壁をえぐっていった結果、建物(対岸に屋根が少し見えます)や駐車場に被害を与えたものです。手前の自動車の後ろの車輪は宙に浮いています。残念ながら、駐車してあった車で2台は川に流されたということです(発見はされていないので、あくまでも推定となります)。

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上記の写真は、1枚目が撮影された駐車場から続く道で、河川からは5メートルぐらい上にある町道ですが、土砂が堆積しており、通行出来ない状態のものです(すでに撤去は終わっております)。

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上記の写真は、時間雨量最大104ミリを記録し、続く1時間でも86ミリの降雨があった場所のもので、架かっていた橋が跡形もなく、無くなっています。ここも山から大量の土砂が河川に流れ込み、流木などとともに一気に通過していった様子が伺えます。

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上記の写真は3枚目の写真の1キロほど下流地点で、河川のカーブ(向かって左側から)があり、それが岸壁にぶつかり、堤防上の道を抉り取ってしまい、町道が断絶された様子です。道路の上を車が通過した10秒後に、この道が崩落しました。

町が設置している雨量観測計の観測地点において、最大で時間雨量126ミリを記録した場所があります。今回の豪雨で恐ろしいと感じたのは、本当に狭い範囲で大量に降るために、同じ町内であっても、晴れている地区もあるなど、その地域以外の町民の皆さんが雨が降っている実感がないことでした。
そんな中で死者・行方不明者がゼロであったことは、不幸中の幸いでした。ただ、家屋損壊4件、著しく交通に支障を来たすものだけでも橋梁及び道路の崩落・寸断など17件、土砂災害多数があり、特に、家屋損壊や土砂災害による物的損傷、さらにはライフラインの寸断などに遭われた皆さまには、心からお見舞いを申し上げるとともに、職員一丸となって全力をあげて復旧作業に取り組んでおりますので、ご理解賜りたいと思います。

当町の災害対策本部の体制は、住民さんからの通報や雨量観測計などのデータなどをもとに、職員や消防団が過去の災害現場や災害弱点箇所を巡視することにより、情報収集を行い、それをもとに協議し、方針を決定し、対策を講じていきます。
他市町の対策本部のあり方がどうかわかりませんが、実際に自分たちの目で見た生きた情報が決め手となってきます。数値などのデータも手がかりにしますが、最終的には最大でおよそ30人~50人の人間(本部で情報を受ける人間、車や人員を配置する人間などを含めると100名弱の体制となります)が町内を巡視したことを判断の基礎とします。小生は、災害対策本部の最も情報の集まるポジションにいます。その各種情報を優先順位をつけながら、また、細かな指示を出しながら、リスク回避をして、組織として最大限の能力を発揮できるようマネジメントすることに徹します。
特に、自然という刻一刻と変化する対象を相手にする場合、この実際の生きた情報収集が出来る体制は凄いことだと思います。また、そのことに労苦を惜しまず、一丸となって汗をかくことができる職員には心から感謝しています。確かに災害規模が大きくなれば、人員不足が生じるかもしれませんが、災害対応の初期見通しや体制整備には、この初動体制は欠くことのできないものだと思います。小生は、これらの生きた情報職員間の些細なやりとりなどに耳を傾け、情報を積み上げる作業を延々と繰り返していきます。
今回も人命に関わる案件で大きなものが3つありました(災害避難勧告や指示などは除きます)。それぞれに大きな判断を小生の中では2回ずつ行いました。この合計6つの判断を行うにあたり、そこまでの情報の積み上げが大きな役割を果たしたことは言うまでもありません。物事を多面的に捉えて総合的に判断していくことがこういった場でも、行政的な判断をする場合でも重要であると感じました。

復旧作業はこれからが本番です。一日も早く町民皆さんが支障のない生活が出来るよう可能な限り支援をして参りたいと存じます。