石原まさたかの痛快!風雲日記(2.0)

使い方は追々考えます(笑)

深層崩壊による土砂災害

菰野町役場の駐車場回りの紅葉の赤があまりにも見事でしたので、ブログに掲載してみました。目に飛び込んでくるようなこの色は素晴らしいの一言。

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19日(火)は朝から社会保障制度の関係で議論をした後、10:30から 全国治水砂防促進大会 に出席しました。まずは、 奈良県荒井知事さんから「平成23年紀伊半島大水害における深層崩壊の解明と復旧・復興対策について」と題した特別講演がありました。深層崩壊という言葉自体は、報道などで耳にしていましたし、地中のより深い部分が崩壊することだと何となく理解していました。しかしながら、深層崩壊の発生メカニズムは確定的に解明されておらず、それ故に当然のことながら、監視や警戒、避難システムなども確立していません。ただ、今回の災害から、深層崩壊と地形や地質、山の斜面、累積雨量との関係から調査や研究がなされましたので、さらにデータの積み上げは必要になりますが、今後の災害対策の知見の一つとして積み上げられていくと思います。

当たり前と言えば当たり前ですが、この深層崩壊の問題点は、表層崩壊と異なり樹木の根など森林の役割の及ばない崩壊であることから、森林の適切な維持管理を行ったり、間伐した木々を運び出したり、森林の混交林化を推進してもほとんど意味がないということです。災害に強い森林づくりと言っても、色々と想定しなければならないこともあり、情緒に流されることなく、学術的なデータに基づく議論を積み重ねなければいけないと確信しました。

また、国土交通省 の砂防部長である 大野宏之 さんからは「国土保全と砂防」と題した講演がありました。直近の10年間において、年平均1,180件の土砂災害が発生しており、全国各地に甚大な被害をもたらしています。平成25年(11月5日現在)は、10月に東京都大島町で発生した豪雨による土石流によって35名の方がお亡くなりになっており、全国では48名の尊い命が犠牲となっています。このように降雨による土砂災害が多発する近年であっても、砂防関係の事業費予算は、平成9年度をピークとして、年々減少の一途をたどり、社会資本整備総合交付金などの合わせたとしても、およそ40%になっています。過度な公共事業は戒めなければなりませんが、ピーク時の40%の予算規模では、国民の生命財産を守る観点から言えば、大いに不十分と言わざるを得ません。また、砂防施設も老朽化が進んでおり、この問題にも可及的速やかに取り組まなければならないと感じました。

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綿貫民輔会長のご挨拶でも、国民の生命財産を守る立場から、ハード、ソフト両面からの対策が必須であると力強く述べられました。大会の最後には、土砂災害から人命と地域を守り、安全で豊かな国土と活力ある地域社会を実現するために、国及び都道府県に対して、主に以下のような提言がなされました。
・事業推進と危機管理体制の確立のために、国土交通省の地方整備局をはじめとするの関係機関の強化を図ること
・土砂災害の防止や軽減のために、砂防施設等の整備を計画的かつ強力に推進すること
・砂防施設の維持管理や点検などを確実に実施すること
土砂災害警戒区域などの指定促進とハザードマップの作成支援などソフト対策も推進すること

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山林を多く抱える基礎自治体の長として、今後とも微力を尽くして参りたいと存じます。

15:30からは三重県町村会の自治研修会に出席しました。平成21年4月から平成23年3月まで四日市市の副市長をなさっており、現在は総務省自治行政局地域自立応援課長である馬場竹次郎さんから「地域の活性化と人材活用」と題した講演をして頂きました。

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主に、定住自立圏構想や「地域おこし協力隊」などの外部人材の活用について事例に基づく詳細な説明がありました。一定の成功事例はよく理解出来ましたが、本来であるならば、失敗事例も存在すると思われるので、クローズな会合ではその辺りを伺ってみたかったのですが、時間の関係上難しかったのが残念でした。

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