天下人の遺産
2ヶ月に一度ぐらいの頻度で開催している読書会のメンバーと行ったのですが、前日の読書会では、どちらも現代語訳ですが、荻生徂徠の『政談』と新井白石の『折りたく柴の記』が課題図書でしたので、そういう観点からも家康の遺産を楽しむことが出来たと思います。
家康が生涯唯一の大敗を喫した三方ヶ原の戦いの直後、命からがら浜松城に逃げ帰った際に描かせた「顰像(=しかみ像)」がメイン展示の一つでした。この「顰像」はその後、家康が慢心を自戒するために座右に置いたと言われる代物です。この話し自体も最後に天下人となったが故に伝説として語り継がれる訳ですから、権力者としての美談の典型的な例に過ぎないと言えば過ぎませんが。
国宝である「太刀 銘 長光 名物 津田遠江長光」も見応えがりました。さすが、織田信長が所持し、本能寺の変の後に明智光秀が安土城で奪い、前田利長などを経て、徳川将軍家の所有となり、最終的には尾張家に伝来しただけあり、圧倒的な存在感がありました。