石原まさたかの痛快!風雲日記(2.0)

使い方は追々考えます(笑)

第6回菰野町地域活性化サミット

昨日4日(土)は、第6回 菰野町活性化サミット が開催されました。本年は、「第一次産業との連携による町の活性化!」をテーマとして、基調講演、シンポジウム、座談会、懇親会が順次実施されました。

イメージ 1

平成28年度「獣害につよい集落」等優良活動表彰の三重県知事賞を受賞した田口区の区長である鈴木寶王さんが「地域で取り組む獣害対策 ~サルが減った!柿が食べれた!~」の演題で、基調講演をしました。小生も実際に現場を拝見 し、直接お話を伺いましたが、地域の皆さんが真剣に取り組まれた経過が伝わってきました。特に、愛知県在住の子どものために作っていたエンドウ豆を根こそぎサルにとられたおばあさんが、涙を流して悔しそうにしていたことが、鈴木さんが地域で獣害対策に取り組もうとしたきっかけだったということに感銘を受けました。加えて、そのことと深くつながると思いますが、鈴木さん自身が70歳を過ぎて、残りの人生としっかりと向き合い、周囲の人や地域にいかに貢献出来るかを考えていることが、この活動の原動力になっていると感じました。

イメージ 2

シンポジウムでは、3名の皆さんが登壇しました。一人目は、合名会社 早川酒造 の専務取締役である早川俊人さんが、「地元の酒米をつかった酒造り」と題してお話をされました。大正4年創業の早川酒造は、昭和52年に菰野町に移転し、町内唯一の酒蔵です。社長の俊介さんのご子息である俊人さんが、平成19年に修行先から戻られた際には、自らが気に入った酒米の雄町を中心に酒造りをしていたところ、菰野町が主催した 菰野まこもナイト in 六本木 において、田光資源と環境を守る会の皆さんと知り合いになり、平成28年に地元の田光区で作られた酒米神の穂を使ってお酒を造ることとなりました。早川酒造は、造り酒屋として生き残っていくために、品質を第一に考えていることから、酒米作りにおいても収量ではなく、品質にこだわりをもって取り組まれ、来年に向けての課題はあるものの、一定の品質を確保した清酒「田光」が出来たとのことでした。今後は、酒造りと米造りを通じて、菰野町の活性化に寄与していきたいと力強く語っていたのが印象的でした。

イメージ 3

二人目は、菰野町の特産品のマコモタケの生産者である金津衞さんが、「まこもオーナー制度でグリーンツーリズム」と題してお話をされました。昨年、恐らく全国で初となるマコモ水田のオーナー制度に取り組んだ成果と課題に基づいて、今後のグリーンツーリズムの方向性に触れられました。予定していた9区画は三日間で完売し、追加した4区画と合わせて13区画もすべて埋まったことからも初年の取り組みとしては成功しましたが、田植えと刈取り以外の時期のマコモ田に足を運んでもらえなかったことに対して、今後の課題があるとのことでした。また、グリーンツーリズムを展開していくためには、日帰りであろうと宿泊であろうと受け入れ体制の構築が必要だということでした。

イメージ 4

三人目は、町内で水耕栽培を中心とした 株式会社アクア を経営している辻恵美子さんが、「農福連携(障がい者雇用)によるハウス栽培」と題したお話をされました。元来、この会社は、ガソリンスタンドの会社の農業部門としてスタートしましたが、障がい者である知人の働く場を作りたいという思いから、単独の会社を立ち上げることとなりました。現在では、利用者12名(定員20名)、指導員3名、支援員5名の体制で、小松菜、水菜、3種類のレタス、低カリウム野菜などを栽培しています。農業を通じた障がい者との関わりによって、障がい者への理解が深まり、経営状況も安定してきているとのことでした。また、同じような事業所との連携が、市場安定供給には必要であり、今後の課題とのことでした。加えて、水耕栽培は無農薬であり、農業者の健康にとっても有益であるということでした。

イメージ 5

いずれの皆さんも多くの課題はあるものの、事業の方向性を持ち、解決すべき課題も明確でしたので、今後の発展が大いに期待出来ると感じました。ただ、菰野町の活性化に繋げていくためには、これらの人々に周囲の人がどれくらい関わってくるかがポイントになると思います。その人と人を繋げる場は、行政や関係機関が支援しなければならないと感じました。