されどアプリケ
明治38年(1905年)に東京に生まれ、姑との質素な生活の中で身に付いた布を大切にする習慣(姑との同居の中で家計を握られ、家事以外に向き合うものが布しかなかったとは、さすがに言わないですね(笑))を芸術作品までに昇華させたその才能というか、世界観は見るものを惹きつけざるを得ないと思います。
また、3人の子どもを育てた母親の目線というといささか安直な表現になりますが、その作品群は日常生活に溢れている素材が対象となっており、その作品の中に動きを感じることができ、宮脇さんのある種のコミカルな一面を垣間見てしまいました。
名誉館長の小嶋千鶴子さんのお言葉をお借りするならば、「彼女は上手い作家」ということになるのでしょうが、アプリケの手法で屏風や着物などの大物作品を手掛けたのは見事という表現が相応しいのだと思います。
老若男女を問わず、自らの身の回りにあるものを楽しむことが出来る企画展だと思います。開催期間は4月15日(日)までですので、ぜひこの機会にご覧下さい。