『横山一格先生』
本日2日(火)の中日新聞朝刊の北勢版にようやく掲載されましたが、菰野町出身で元衆議院議員(大正13年初当選)であり、明治41年に名古屋市に病院を開業し、愛知県医師会長も務めた 横山一格 さんを顕彰する『横山一格先生』(横山陽二(2018))を、ひ孫であり名古屋外国語大学准教授の横山陽二さんからご恵贈賜りました。
第1章の「横山一格先生」は、一格さんが亡くなった半年後に、病院の従業員であり、秘書的な役割を果たしていた小森さんという方が、一格の功績を後世に伝えるために書き残した冊子を復刻し、現代語に近い形での解説を併記したものとなっています。当時の東京市長(堀切善次郎)や内務大臣(安達謙蔵)、三重県知事(千葉了)、宮内大臣(牧野伸顕)などなどからの書状や逝去された際の各方面からの弔電、家族に宛てた手紙などが編まれており、歴史的な一次資料としても貴重なものです。また、一格の菰野町への思慕を垣間見ることができ、当時の菰野町を知る上でも重要な資料だと思います。
これとは別に、昨年の茶室開きの準備の際に、横山家の蔵から大量の古文書が発見されており、これらの解読が進めば、江戸時代の菰野土方藩の状況も知ることが出来るのではないかと思います。といいますのも、名誉町民の佐々木一さんが、生前「横山家の蔵には、菰野土方藩に関わる古文書が保管されている」と仰っており、その言葉を聞いた際には、横山陽二さんは、思い当たる節がなかったようですが、いよいよ発見されたということです。時代の変化の早い現代社会において、これらの貴重な資料を適正保管することは、文化行政を推進するという狭義の意味だけでなく、時代の足跡を残すというその時代を生きる人間として重要な意味を持っています。