石原まさたかの痛快!風雲日記(2.0)

使い方は追々考えます(笑)

デマはウイルスより速し

ここ最近というか、感染症が話題になると、耳目を集める言葉に「インフォデミック」(=infodemic: information pandemic)なる造語がある。

 

不謹慎ながら、つまりはデマはウイルスより速いということです。もう少し踏み込んで言うと、物事の本質よりも自分にとって面白そうな噂話やデマを信じるのが、人間の性とも言える。

 

今回の新型コロナウイルスの感染拡大の際も、トイレットペーパーやティッシュペーパーが店頭から消え去る騒動があり(今の続いているようだが)、これも「インフォデミック」の類と言える。小生の友人の大学関係者曰く「予言の自己成就」や「多元的無知」の表現もあるとのこと。

 

前日の拙ブログで、2019-2020冬の米国における季節性インフルエンザによる死者が約14,000人に上ると指摘した。この数字に新型コロナウイルスの罹患者がいる可能性も指摘されているが、現時点で新型コロナウイルスの死者は全世界で3,074人(令和2(2020)年3月3日現在)であるので、数字としては、季節性インフルエンザの方が驚異ではある。確かに治療法が確立していないことはあるにせよ、「インフォデミック」的な情報を含めて、社会全体として冷静な判断能力を喪失している状況である。

 

なぜ冷静な判断が必要であるかは、例えば、本来必要でない人がマスクを買い求めることによって、重篤な疾病を抱える人が通院治療する際に、自己防衛として必須のマスクが手に入らない状況を生み出すからである。マスクに関して言えば、WHO(=世界保健機関)は、「ウイルス感染者が感染拡大防止のためにマスクを着用することは一定の効果があるが、必ずしもマスクが感染予防にはならない」としている。でも、マスクを買い求める人々がいる・・・。

 

住民投票や選挙などでも噂やデマが飛び交い、冷静な判断が喪失されることがある。最近では、英国のEU離脱(=ブレグジットBrexit)などが記憶に新しい。情報に振り回されたり、騙されたり、自分にとって都合の良い情報だけに傾注すると、より酷い帰結を迎えることが往々にしてある。