石原まさたかの痛快!風雲日記(2.0)

使い方は追々考えます(笑)

今は、第一波なのか、第二波なのか・・・?

拙ブログ(4月13日付け)では、『日本を襲ったスペイン・インフルエンザ』(速水融(2006)藤原書店)を入手したことに触れました。それ以降、他の関連書物も参考にしながら、読み進めていますが、私なりには興味深いことが多々あり、それらについては、今後、随時、ブログにも掲載して参ります。

 

今回の「新型コロナウイルス感染症」(以下、「新型コロナ」)を1918〜1920年の「スペイン・インフルエンザ」と比較して論ずる際に、「流行の波」が話題となる場合があります。例えば、磯田道史さんは、「感染症の日本史」((2020)『文藝春秋』(2020.05号))において、まさに『日本を襲ったスペイン・インフルエンザ』を引用し、「スペイン風邪の波は『三波』あった」(P.102)と述べ、今後予期される「新型コロナ」の「第二波に備え、ワクチン研究が不可欠」(P.103)としています。

 

速水も、大枠としては、第一波(1918年5〜7月)、第二波(1918年10月〜1919年5月)、第三波(1919年12月〜1920年5月)と区切っていますが、私が興味深く感じたのは、第一波と第二波の間に「変異した新型ウイルスの襲来ー1918年(大正7年)8月末以後」(第3章)として時期を設定していることです。つまり、スペイン・インフルエンザの第一波から第二波の間に、ウイルスが、感染力のより強いものに変異し、その変異によって大きな災禍を及ぼしたとしています。

 

第一次世界大戦における情報統制下であったために、第一波の感染状況が克明に記されていない可能性はありますが、1918年春に米軍ファンストン基地で死者48名を数えたスペイン・インフルエンザが、世界を駆け巡る間に、感染力を増大させ、夏の小休止を経た後に、第二波として、パンデミックを引き起こしたと指摘しています。

 

さて、以上を踏まえると、我々が現下直面している「新型コロナ」は、第何波で、今後、いくつ波が来るのかが、自然と懸念されます(と言うか、当然、考えなければならないと思いますが・・・)。スペイン・インフルエンザの第一波は、社会問題としてあまり注目されなかったために、「無視された『春の先触れ』」と言われています。これが、今回に当てはまるのであれば、既に、昨年の春頃にステルス的な第一波があり、現在は、感染力の高まった第二波と見ることも出来ます。ただ、あまり考えたくはありませんが、現時点が第一波で、次に来るのが、より強力に変異した第二波で、さらに第三波が待ち構えている可能性も大いにあります。

 

ワクチンの開発が急がれることは当然ですが、今年の10月以降の第二波を想定内において、現在を過ごさなければなりません。特に、過大な負荷のかかっている医療や介護の現場を夏場に休息させることと、社会全体が悪循環に陥るために経済的事由によって社会が不安定化することは避けなければならないでしょう。