石原まさたかの痛快!風雲日記(2.0)

使い方は追々考えます(笑)

約100年前のデジャブ

新型コロナ感染症の影響が拡大しつつある2月中旬頃、過去の雑誌の整理をしている最中に何気なくページをめくっていると、一冊の本(速水融(2006)『日本を襲ったスペイン・インフルエンザ 人類とウイルスの第一次世界戦争』藤原書店)について書かれた書評が目に入ってきました。

 

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速水融(2006)『日本を襲ったスペイン・インフルエンザ』藤原書店

小生にとっての速水融は、歴史人口学の大家であり、その系譜での鬼頭宏の師匠であると認識していましたが、スペイン・インフルエンザに関する著書を記していたことに、相当な興味を唆られました。

 

そこで、早速、アマゾンでの注文を試みると、「在庫なし」で、古本では約1万円の値段が付いていました。買おうか、買うまいか悩みながら、1週間か10日間を無為に過ごし、結局、図書館で借りようと、名古屋大学中央図書館で検索し、存在したものの、諸般の事情で借り出しが出来ず、仕方がないので、名古屋市立図書館で検索すると、同様の考えをお持ちの方々数名により、借り出し予約済みでした。さらに、外部利用の許可を得ている南山大学で検索すると、借り出し可能でしたので、南山大学図書館に赴いてみると、新型コロナ感染症拡大防止のために部外者の立ち入り及び貸し出しが禁止されていました。

 

4月以降、再び名古屋大学中央図書館に赴き、借り出そうと考えたら、貸し出し済みとなっていたため、諦めきれずに、古本屋やアマゾンなどをインターネット経由で検索してみると、定価での新刊が存在しました。驚く間もなく、即座に発注し、手元に届きました。奥付を確認すると、「2020年3月30日 初版第3刷」の文字があり、要望に応えて、出版社が重版をしたことが判明しました。

 

読み始めたばかりですが、冒頭から、意外な事実が満載で、しばらくは楽しめそうです。その一つは、「スペイン・インフルエンザ」はスペインが発祥だったからではなく、第一次世界大戦で中立国であったスペインは、報道規制がなく、インフルエンザの流行を公表したために、その名称が付けられてしまったということでした。加えて、スペイン政府は、「インフルエンザは、フランスからやってきた」と主張し、フランスは「インフルエンザは、スペインからやってきた」と泥仕合を繰り広げています(p.48)。

 

今回の新型コロナ感染症拡大の際に中国と米国が繰り広げた珍事が、約100年前にも存在したことに、人類の不変性を感じることが出来ました(笑)