石原まさたかの痛快!風雲日記(2.0)

使い方は追々考えます(笑)

家計へキャッシュを!

またまた特別定額給付金(=「10万円給付」)の話で恐縮ですが、お付き合い下さい。

 

日本政府が、国民に「10万円給付」事業を実施すると決める以前に、米国では、国民一人当たり1,200ドル、日本円で約13万円(所得制限有り、17歳未満は500ドル)の給付が決定され、実施されています。給付金以外にも、様々な緊急経済対策(例えば、休業要請支援金や雇用調整助成金など)がありますので、欧州などを含めて各国の支援策の比較をする場合には、それらを総合的に判断すべきです。

 

ここで、興味深いのは、日米の政府レベルの給付金を比較した場合、17歳以上の成人を比較すると、1ドル=110円とした場合(以下も同様)、約3万円の違いがあることです。ただ、米国の場合は所得制限がありますので、この約3万円は制度設計の考え方の違いが反映されたものと指摘出来ます。一方で、日本は17歳未満にも一律10万円を支給することは、米国の55,000円とは大きく異なっています。米国より日本の方が手厚い15歳以下については、児童手当に1万円が加算されることとなり、日本の方が二重の意味で、手厚い部分があります。だからと言って、「日本の方が優遇されている!」などと言いたのではありません。先ほども述べたように、施策は全体的かつ総合的に見なければなりません。

 

それぞれにお国事情があり、何を優先するかが、存在しているということです。前回の拙ブログで、家計分野のバランスシートの拡大に注目することを指摘しましたが、その後、自分なりに頭の体操をしていましたら、面白いデータを見つけました。

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日本銀行調査統計局(2019)「資金循環の日米欧比較」

巷間、日本の金融資産は貯蓄が多く、株式や債権などいわゆる金融商品は敬遠される傾向にあると言われます。以上のデータを見ますと、「現金・預金」において、日本は53.3%、米国は12.9%と大きな差が生じており、ある一面では事実です。ただ、実質の金額に換算し直すと、日本は1,835兆円の53.3%ですから978兆円、米国は9,779兆円の12.9%ですから1,261兆円となり、百分率と金額ベースで比べると、その差は為替変動などもあることから、然程大きくは感じない数字となります。

 

日米の元々の家計規模は5倍の違いはあるものの、今回の危機的状況においては、同規模の支援をしたということも可能ですし、たまたまかもしれませんが、キャッシュという面において、家計のバランスシートを同規模程度に拡大させる支援策を講じたのではないかということです。

 

繰り返しになりますが、今回の「新型コロナ」において、収束時期は未だ不透明ですので、観光支援や公共投資による財政出動などはもう少し後の施策であり、スピード感を持った短期的な財政出動は、家計全体のバランスシートを大きくするキャッシュによる支援が現時点で必要な施策です。やや遅きに失している地方自治体も散見されますが、隣接市町村の単なる真似事やキャッチフレーズ先行ではなく、事業構築にあたっては、目的や優先順位を明確にするべきです。