石原まさたかの痛快!風雲日記(2.0)

使い方は追々考えます(笑)

税金をタネとして使う

今回の「新型コロナ感染症」(以下、「新型コロナ」)の影響下においても、多くの市町村では取り組まれていますが、行政の経済対策の手段として「地域振興券」や「プレミアム商品券」などを市町村が発行する場合があります。

 

この事業の特徴は、税金を原資として「お得感」を出し、住民の購買意欲を喚起しつつ、民間の資金を活用しながら、地域経済の停滞を防ぐことです。

例えば、5,000円のプレミア分を乗せて、15,000円分の「地域振興券」を発行すると、5,000円の行政支出に対して、消費者は10,000円を負担することになり、税金を元として事業費を3倍とすることとなります。このことは、事業費の15,000円分を全て税金で賄うこととは、効果的な税金の使い方という観点で全く異なる意味を持ちます(税金をそのまま一律に現金で給付するというのは、通貨発行権を有する政府の役割であり、地方の施策としては、何らかの制約を課すのが妥当だと思います)。

 

このように考えますと、事業費における税負担の割合が「地域振興券」の施策としての要諦であり、目的とも言えます。加えて、消費者の心理も大きく関わる問題です。何故なら、経済対策を講ずる前提には、消費の冷え込みがある訳ですから、どれくらいの「お得感」を出すかが、全体の事業規模の決め手になるからです。

 

結論的に申し上げますと、平時の「地域振興券」であれば25%でしょうが、「新型コロナ」下であれば、40%のプレミア率が妥当ではないかと思います(もちろん、持続化給付金などの他の施策があったと仮定しての場合です)。消費税が10%ですから、実質30%のプレミア率となり、心理的には「3割引」ということになります。消費税は曲者で、その約80%は国に修められますので、「地域振興券」を発行すれば、地方から国にお金が流れることとなっています(笑)

 

以上のような事業を実施するにも、「地域振興券」を作成する印刷費や事務費などは必要となりますので、事実上は50%ぐらいの税負担となるかも知れません。ただ、いつも申し上げるように、「地域振興券」の事業であっても、時期や規模、対象、税負担など具体的な実施方法によってその目的は変わりますし、事業効果の優劣が決まります。逆に申し上げますと、私から見ると、具体的な実施方法に問題を多く含んでいるということです。その問題については、別の機会に譲ります。