石原まさたかの痛快!風雲日記(2.0)

使い方は追々考えます(笑)

社会機能維持者という観点

昨日の拙ブログでは、新型コロナウィルス肺炎のパンデミックの始まりも終わりも未確定であるから、仮に全校休校の措置を取るのだとしても、3月6日(金)までは小中学校は出席を許可し、その間に関係機関の調整など、具体的な現場レベルでの社会の合意形成を行うことが重要だと指摘した。

 

その際に、一つの議論の対象と言うか、検討の余地のある観点がある。

 

それは「社会機能維持者」である。

 

厚生労働省は、「社会機能維持者」(医療従事者や治安維持、ライフラインの維持、政策の意思決定、輸送などにそれぞれ関わる者)という考え方を、新型インフルエンザの予防接種の優先順位をつける際に導入した。つまり、危機管理の対応能力の限界から、優先順位を付けざるを得ない状況を想定し、国民を区分した。全ての国民に対応可能な状況下で国民を区分する事は、公平の観点で問題を有するが、危機管理の観点で許容量を超える場合、国民を区分し、優先順位を付ける事は致し方ない対応である。

 

さて、例えば、今回の全校休校の場合、学童保育所の許容量が大きな問題になる。その際に、保護者の状況での受け入れを判断する際に、保護者が社会機能維持者であるかの観点を用いる事は、優先順位を付ける上で重要なことである。さらに、学童保育所の収容人員に課題がある場合は、学習を伴わない形での児童生徒を受け入れることを、小中学校に課すことも必要であり、その際にも、保護者が社会機能維持者であるかという考え方を導入することは、同様に重要である。

 

残念ながら、以上のような議論はほとんどされることなく、政府の「丸投げ」に、自治体が「右往左往」し、冷静な対応や適切な判断がなされているとは言えない。現場レベルでの合意形成に、社会機能維持を検討材料にすることは、対応能力に限界のある危機管理上、自明である。