石原まさたかの痛快!風雲日記(2.0)

使い方は追々考えます(笑)

『未来製作所』

先日視察に訪れた株式会社デンソー大安製作所の所長である堀誠さんから、2ヶ月ぐらい前に、『未来製作所』(太田忠司北野勇作、小狐裕介、田丸雅智、松崎有理(2018)幻冬舎)という書物をご恵贈賜りました。この本は、5人の作家が、デンソー(大安製作所ではないと思われます)を訪れ、工場見学や開発現場の担当者などとの対話から着想を得て、10編の「ショートショート」(=短くて不思議な物語)からなる作品集となっています。

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もちろん、デンソーの技術ですので、自動車に関わる技術には違いありませんが、技術の機能に注目すれば、広義には「移動すること」関わる技術と言い換えることが出来ます。ここに描かれている世界は、現時点での技術革新の延長にある近未来です。

技術素材としては、自動運転、GPS機能、VRゴーグルや人口知能を取り扱いながら、登場人物の過去、現在、未来などの思いや願いといった人間らしさが交錯する作品群となっています。

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ここで描かれている世界は、技術的には実現可能な世界だと感じます。ただ、それが受け入れられるためには、尊厳死や臓器移植、クローン技術などのような高度な倫理性までは求められませんが、ある一定の水準において社会全体の同意が必要になると思いました。

気軽に読める内容ですが、どの作品も人間とテクノロジーの関係を再考する機会を与えてくれます。秋の夜長のお伴にいかがでしょうか?