石原まさたかの痛快!風雲日記(2.0)

使い方は追々考えます(笑)

10万円の目的

紆余曲折はありましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大による緊急経済対策として、一人当たり10万円の給付が、20日持ち回り閣議で決定されました。基本的には、郵送もしくはマイナンバーカード経由の手続きだそうです。ただ、それだけで対応出来ない方々には、直接相談窓口が必要となりますから、基礎自治体は、感染防止のために市役所や役場とは異なった施設(新型コロナ拡大防止のために閉鎖しているスポーツ施設などが良いのではないかと思います)を用意する必要があるでしょう。

 
この施策の賛否は様々ですし、枝葉末節の点では議論の余地はありますが、個人的には私は賛成の立場です。
 
「相棒」の「杉下右京」ではありませんが「細かいことが気になってしまうのが悪い癖」でして(笑)、原資は税金ですから、「10万円もらえる!ラッキー!」ではなく、施策の目的が、私は、気になります。しかし、施策の目的を示した報道や説明は、管見の限り、あまり目にしていません。見過ごしがちになりますが、施策の目的は極めて重要です。なぜなら、施策の変更や休止をする場合の根拠となるからです。またまた拘りますが(笑)、医療費の無償化の施策の目的は「子育て支援」と言われています。しかし、そもそも医療費の無償化は、乳幼児などの医療需要の高い年代や低所得者層が、医療支出を敬遠するために医療受診をしないことで、病状が重篤化することを避ける目的で創設されました。その根拠を問い直すことなく、なし崩し的に「子育て支援」のもと、全国の自治体が年齢の引き上げを実施しています(一部、財政的な理由で制度の縮小をしている自治体も出てきましたが)。
 
少し興奮し過ぎました(笑)
 
10万円の施策の目的ですが、以下、総務省のホームページ からの引用です。
------------
新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」(令和2年4月20日閣議決定)において、「新型インフルエンザ等対策特別措置法の緊急事態宣言の下、生活の維持に必要な場合を除き、外出を自粛し、人と人との接触を最大限削減する必要がある。医療現場をはじめとして全国各地のあらゆる現場で取り組んでおられる方々への敬意と感謝の気持ちを持ち、人々が連帯して一致団結し、見えざる敵との闘いという国難を克服しなければならない」と示され、このため、感染拡大防止に留意しつつ、簡素な仕組みで迅速かつ的確に家計への支援を行う。
------------
 
芸能人のサンドイッチマンなら「ちょっと何言ってるかわからない」と言うかも知れませんが(笑)、「人との接触を最大限削減」のための家計支援と読み取ることが可能です。是非、この施策目的を考慮し、「10万円」を受理して下さい(笑)
 
本当は、この施策のスピード感の重要性を論じようと思ったのですが、別の機会に譲ります(といいながら、施策の目的を書き込んでいることに「スピード感が無い!」と突っ込まれそうですが・・・)。

今は、第一波なのか、第二波なのか・・・?

拙ブログ(4月13日付け)では、『日本を襲ったスペイン・インフルエンザ』(速水融(2006)藤原書店)を入手したことに触れました。それ以降、他の関連書物も参考にしながら、読み進めていますが、私なりには興味深いことが多々あり、それらについては、今後、随時、ブログにも掲載して参ります。

 

今回の「新型コロナウイルス感染症」(以下、「新型コロナ」)を1918〜1920年の「スペイン・インフルエンザ」と比較して論ずる際に、「流行の波」が話題となる場合があります。例えば、磯田道史さんは、「感染症の日本史」((2020)『文藝春秋』(2020.05号))において、まさに『日本を襲ったスペイン・インフルエンザ』を引用し、「スペイン風邪の波は『三波』あった」(P.102)と述べ、今後予期される「新型コロナ」の「第二波に備え、ワクチン研究が不可欠」(P.103)としています。

 

速水も、大枠としては、第一波(1918年5〜7月)、第二波(1918年10月〜1919年5月)、第三波(1919年12月〜1920年5月)と区切っていますが、私が興味深く感じたのは、第一波と第二波の間に「変異した新型ウイルスの襲来ー1918年(大正7年)8月末以後」(第3章)として時期を設定していることです。つまり、スペイン・インフルエンザの第一波から第二波の間に、ウイルスが、感染力のより強いものに変異し、その変異によって大きな災禍を及ぼしたとしています。

 

第一次世界大戦における情報統制下であったために、第一波の感染状況が克明に記されていない可能性はありますが、1918年春に米軍ファンストン基地で死者48名を数えたスペイン・インフルエンザが、世界を駆け巡る間に、感染力を増大させ、夏の小休止を経た後に、第二波として、パンデミックを引き起こしたと指摘しています。

 

さて、以上を踏まえると、我々が現下直面している「新型コロナ」は、第何波で、今後、いくつ波が来るのかが、自然と懸念されます(と言うか、当然、考えなければならないと思いますが・・・)。スペイン・インフルエンザの第一波は、社会問題としてあまり注目されなかったために、「無視された『春の先触れ』」と言われています。これが、今回に当てはまるのであれば、既に、昨年の春頃にステルス的な第一波があり、現在は、感染力の高まった第二波と見ることも出来ます。ただ、あまり考えたくはありませんが、現時点が第一波で、次に来るのが、より強力に変異した第二波で、さらに第三波が待ち構えている可能性も大いにあります。

 

ワクチンの開発が急がれることは当然ですが、今年の10月以降の第二波を想定内において、現在を過ごさなければなりません。特に、過大な負荷のかかっている医療や介護の現場を夏場に休息させることと、社会全体が悪循環に陥るために経済的事由によって社会が不安定化することは避けなければならないでしょう。

10枚のポスター画像

本日20日(月)付けで発売になるようですが、菰野町地域活性化でお世話になった 横山陽二 さんから、『企業人から大学教員になりたいあなたへ 元電通マンの大学奮闘記』(2020,ゆいぽおと)をご恵贈賜りました。

f:id:masa141129:20200419090222j:plain

横山陽二(2020)『企業人から大学教員になりたいあなたへ』ゆいぽおと

表紙と裏表紙には、10枚のポスター写真が散りばめられており、そのいずれもが、横山さんが専任教員として名古屋外国語大学に在籍した間に、菰野町の観光振興を目的として、自身のゼミナール所属の学生が作成した作品です。

 

著作の題名にも含まれているように、横山さんはかつて株式会社電通に奉職されていました。このポスターに関わる事業は、その広報や広告に関わる経験を活かして、学生目線から菰野町のキャッチコピーを考えて戴く取組として実施したものです。と同時に、菰野町に少しでも多くの若者が関わることによって、新たな観光地としての魅力を発見し、菰野町の新たなファンを獲得することを狙っていました。

 

この取組と連動して、愛知淑徳大学の 林大策(交流文化学部 教授) さんが、中心的な役割を果たしている なごや朝大学 や、東海地方を映像の力で盛り上げるというコンセプトを有する 東海アクションプロジェクト に関わる堤幸彦(演出家・映画監督)さんら多くのメディア関係者にも菰野町に関わってもらいました。以上のような事業についても多くページが割かれており、この間、本籍地が菰野町である横山さんには、多大なる支援を戴いたことを再認識しました。

 

著者の意図とは異なるかも知れませんが、私にとっては、地域活性化を取り巻く、産官学連携のケーススタディであり、単発(=単年度)の事業ではなく、継続的かつ複合的な手法を用いて、より多くの人々を基礎自治体の動きに巻き込んでいく姿が描かれていると思っています。

次の一手への想像力

共同通信社の調べによれば、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言の対象となっている7都府県の政令市と東京23区など計52市区のうち3割に当たる16市区が、知事の要請がないにもかかわらず、認可保育所の原則休園を決定したとのことです。

 

4月2日付けの拙ブログでも、触れたように、いよいよ保育所の休園が現実のものとなってきました。4月2日から数えると、およそ2週間が経過したわけですが、三重県下でも、実際に保育所の原則休園を実施している市町もありますが、ここで重要な点は、保護者(就労状況や家族構成など)や保育所(保育士の充足や疲弊度合など)の状況を把握して、それを実施しているかということです。原則休園の実施は、実施する前の周到な準備を必要とし、4月2日以降、その準備を進めている基礎自治体は、より実態に即した対応が可能となり、保護者や保育所、あるいは保護者の勤める事業所などへ、過度な負担をかけることを回避することとなります。

 

旧知の関係者と情報共有していますが、保育所を原則休園としても、特段の必要がないにも関わらず、他の子育て施設に子どもを預ける保護者も存在しており、人と人との接触を避けるという本来の目的が、社会に浸透していない側面もあるようです。

 

時々刻々と変化し、深刻化する事態に周到な準備が出来るかが、自ずと結果を変えることは間違いありません。今一度、的確な情報収集とクリティカルな判断が求められます。

新型コロナ基本カテゴリーの設定(石原試案)

昨日13日(月)は、夕方から「Mie ライブ」に出演しました。ここ最近、新型コロナウイルス感染症関連の報道が増えていたこともありますが、もう少し踏み込んだコメントが出来ないかと考えた結果、次のような試案を提言しました。

 

f:id:masa141129:20200413223041j:plain

新型コロナウイルス感染症における地方自治体の基本カテゴリーの設定(石原試案)

4月1日(水)の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議が出した「状況分析・提言」では、1.新規確定患者数、2.リンクが不明な新規確定患者数、3.帰国者・接触者外来の受診者数、を指標などとして、国内の各地域が、「感染拡大警戒地域」、「感染確認地域」及び「感染未確認地域」として区分されることとなりました。

 

一方で、その後、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく「緊急事態宣言」が政府から、その他任意の「緊急事態宣言」が愛知県(それ以前には北海道)などから、さらには、「感染拡大阻止緊急宣言」が三重県から、出される事態になりました。

 

「感染拡大警戒地域」などの地域区分、「緊急事態宣言」などの各種宣言などが乱発されることは、未知の事態に遭遇し、手探りの状態で眼前の事案に対処しなければならないことから、小生としても理解可能な範疇にあるものの、現段階においては、現実に照らしながらの課題を整理し、行政はもちろん、住民や企業の適切な準備や対応のために、情報共有のあり方を見直す必要がある段階に入ったと考えます。

 

以上示した試案は、事態を段階付けて、それぞれに状態を定義してみました。これは三重県の事例を用いていますが、各市町村が独自のカテゴリーを設定しても構いません(例えば、名古屋圏に近い桑名市と関西圏に近い名張市とは、カテゴリーが異なったとしても問題はないと思います)。

 

このカテゴリーごとに、医療機関、住民、企業や行政が、行動すべきあるいは対応しなければならない事例を示すことは、情報共有と業務継続の上からも極めて重要なことだと思います。以上は、あくまでも試案ですので、今後、専門家などによる検討余地はあろうかと思いますが、混乱を最小限にするためには有益なことだと感じています。

 

約100年前のデジャブ

新型コロナ感染症の影響が拡大しつつある2月中旬頃、過去の雑誌の整理をしている最中に何気なくページをめくっていると、一冊の本(速水融(2006)『日本を襲ったスペイン・インフルエンザ 人類とウイルスの第一次世界戦争』藤原書店)について書かれた書評が目に入ってきました。

 

f:id:masa141129:20200413080359j:plain

速水融(2006)『日本を襲ったスペイン・インフルエンザ』藤原書店

小生にとっての速水融は、歴史人口学の大家であり、その系譜での鬼頭宏の師匠であると認識していましたが、スペイン・インフルエンザに関する著書を記していたことに、相当な興味を唆られました。

 

そこで、早速、アマゾンでの注文を試みると、「在庫なし」で、古本では約1万円の値段が付いていました。買おうか、買うまいか悩みながら、1週間か10日間を無為に過ごし、結局、図書館で借りようと、名古屋大学中央図書館で検索し、存在したものの、諸般の事情で借り出しが出来ず、仕方がないので、名古屋市立図書館で検索すると、同様の考えをお持ちの方々数名により、借り出し予約済みでした。さらに、外部利用の許可を得ている南山大学で検索すると、借り出し可能でしたので、南山大学図書館に赴いてみると、新型コロナ感染症拡大防止のために部外者の立ち入り及び貸し出しが禁止されていました。

 

4月以降、再び名古屋大学中央図書館に赴き、借り出そうと考えたら、貸し出し済みとなっていたため、諦めきれずに、古本屋やアマゾンなどをインターネット経由で検索してみると、定価での新刊が存在しました。驚く間もなく、即座に発注し、手元に届きました。奥付を確認すると、「2020年3月30日 初版第3刷」の文字があり、要望に応えて、出版社が重版をしたことが判明しました。

 

読み始めたばかりですが、冒頭から、意外な事実が満載で、しばらくは楽しめそうです。その一つは、「スペイン・インフルエンザ」はスペインが発祥だったからではなく、第一次世界大戦で中立国であったスペインは、報道規制がなく、インフルエンザの流行を公表したために、その名称が付けられてしまったということでした。加えて、スペイン政府は、「インフルエンザは、フランスからやってきた」と主張し、フランスは「インフルエンザは、スペインからやってきた」と泥仕合を繰り広げています(p.48)。

 

今回の新型コロナ感染症拡大の際に中国と米国が繰り広げた珍事が、約100年前にも存在したことに、人類の不変性を感じることが出来ました(笑)

「サ道」、初心者。

前回の東京オリンピックの後の第1次ブーム、1990年代のいわゆる「スーパー銭湯」の拡大期における第2次ブームに続き、今、空前の第3次サウナブームを迎えていると言われています。

 

小生も、昨年に生活環境が大きく変わった際、親しい知人に勧められ、「サ道」に足を踏み入れることとなりました。「熱波」や「ロウリュ」のことを熱く語ったその親しい知人とサウナにちょくちょく行くようになった頃、コミック漫画がドラマ化されたBS(放送衛星)番組を見て、小生らが通っているサウナが特集されていたことには驚きました。

 

さらに、日本のサウナの歴史や施設の特色などについて知ることにより、サウナ室から出た直後の露天の岩盤浴で寝転んだ際に見える空の青さや風の心地良さなど、新たなサウナの楽しみ方も覚えました。

 

新型コロナ感染症の影響により、しばらくは、会員になっているサウナ施設への出入りは自粛となりますが、また、あの快感を味わう日が来ることを心待ちにします。