機縁と深度2,890km
訳あって、久しぶりに河合研志さん(東京大学大学院理学系研究科 地球惑星科学専攻 准教授)とお会いした。
河合さんは、地震波から得られる複数の情報から地球の深部で生じている現象を解釈し、そのことを通して、46億年の地球の歴史を読み解こうとする野心的な研究に取り組んでいる。
およそ90分間、最新の研究成果と今後の研究プロジェクトについて話を聞いた。無論、物理学の基礎知識すらない小生にとっては、その半分も理解出来てはいないと思うが、およそ3年前にお会いした際に圧倒された、地球や宇宙への熱い思いはいささかも減じることなく、むしろ、増幅されていた。
小生が、小学校の3年生だったか、4年生だったかの頃、「方位磁石のN極が北を、S極が南を指すことから、北極がS極で、南極がN極ではないのか?」という疑問を持ち、学校の先生や周囲の大人に尋ねたことがある。だが、明確な回答は得られず、この問題は放置されたままとなった。
この問題が、メカニズムを含めて解明された(笑)
マントルからの物質が、地球の約2,890km深度の外核とマントルとの境界まで沈み込み、この沈み込みによって、外核内の物質の動きが活発になり、N極とS極が発生するとのこと。しかも、地球の歴史上、N極とS極は、逆転したこともあるという。
知っている人は知っているこの知識を、日本で随一の地球物理学者から教えで理解した。人とのご縁というのは面白い。