石原まさたかの痛快!風雲日記(2.0)

使い方は追々考えます(笑)

コロナ禍の陰で

種苗法」(意外にもこれが正式名称(笑))の改正案が、3月3日に閣議決定され、今国会で審議される予定である。

 

種苗法」は、農業関係者以外には、あまり馴染みのない法律だと思うが、我々の食に関係する重要な法律であり、食料安全保障にとっても不可欠である。

 

改正の趣旨は、日本で開発された野菜や果物などの優良品種が、海外に流出し、他国で増産の上、輸出されていることにより、日本の農林水産業の発展に支障が生じつつあることを踏まえ、品種開発をした者の育成者権(知的財産)保護を強化することである。

 

この論理(海外勢による不当な行為から、日本の優良品種を保護すること)の組み立てはよく理解出来るものの、一方で、育成者権の保護強化は、生産者にとっては不利益となる場合もある。改正種苗法では、登録品種の自家増殖を原則禁止にしているため、特に、自分で育てた野菜や果物から次の年の種子を確保している農家にとっては死活問題となる。それが延いては、日本国内における農業の発展や多様性の阻害に繋がる可能性がある。

 

2年前の「種子法」廃止の際にも問題視されたが、例えば、海外の大企業による種子や種苗の独占や寡占は、結果として野菜や果物の高騰を招くことを想定しておかなければならない。また、この問題は、「種子法」廃止とともに成立した「農業競争力強化支援法」第8条第4項の「種子の知見を民間企業に提供すること」とも関連し、円滑な地域農業を推進するためには、危惧される課題を含んでいる。