石原まさたかの痛快!風雲日記(2.0)

使い方は追々考えます(笑)

東日本大震災の障がい者の死亡率は2倍以上

12月1日(日)の13:00から 第59回三重県身体障害者福祉大会 に出席しました。主催者である 三重県障害者団体連合会 の会長である山本征雄さんのご挨拶にもありましたが、今回で59回目を迎えるという歴史ある福祉大会ですが、今回は初めての試みとして、開催地である 川越町 さんのみならず、三泗ブロックとしての結束と連携を深めるために、四日市市 さん、朝日町 さん、菰野町 の1市3町の関係機関及び団体が協力して、開催されました。

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三重県の障害者福祉の向上に貢献された皆さんに対して、自立更生者、団体育成功労者、奉仕活動功労者の観点から及び大会スローガンの入選者に対しての表彰がありました。被表彰者に皆さんの日頃からのご尽力に心からの敬意と感謝を申し上げます。

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今大会の宣言では、「障害者権利条約の真髄である『私たち抜きに私のことを決めるな!』の基本精神について地域社会への合意と定着を図りながら、従来にもまして『障害を理由に参加を拒むことのない脆くない社会の実現』を目指して一致団結して行動することを誓」うことが、力強く宣言されました。障害者権利条約については、平成18年12月13日に第61回国連総会で採択され、日本政府は平成19年に署名をしていたものの、その後、批准はしていませんでした。それが、今国会に批准のための議案が提出され、先月19日に衆議院で可決されており、参議院でも今週中にも可決予定です。大会決議においても、障がい者にとって利用しやすい公共施設となるよう務めるとともに、「合理的配慮」の理念を実現するために諸施策を推進することや大規模災害時における支援体制及びネットワークの構築などが要望されました。

式典終了後には、社会福祉法人AJU自立の家 わだちコンピュータハウス 所長の水谷真さんから「障害者は避難できない -災害時要援護者支援の課題」と題した講演がありました。

・被災3県での死亡者の65%強が60歳以上の高齢者であったこと(高齢者が災害弱者であること)
障がい者の死亡率は障がいのない方の2倍以上(宮城県においては4倍以上との数字もある)
・7歳~15歳においては、岩手県の死亡者数の少なさが顕著であったこと(津波防災教育の普及のため)
・震災関連死(平成25年3月末において2,600名を超えている)のおよそ50%が福島県民であり、内35%が南相馬市であった(原発事故の影響で必要な医療及び介護の援助が受けられなかったため)
・トイレも含めて避難所は障害者が生活するにはきわめて困難な場所であること(被災時の避難所に障害者が見当たらなかったことやその後のヒヤリング調査において明らかになった)
・ただ、行政が指定した避難所ではなく、民間レベルにおいて実態的な福祉避難所が存在したこと
・障害者はなかなか自分から「助けて!」と言えないこと
などを具体的な事例を上げて説明されました。

以上のこともそうですが、要援護者に関する個人情報開示の課題や避難所における求められる支援の原則などについても行政を司る身としては、具体的な状況を想定しながら、今後の対応を考えなければならない重要な問題と認識することが出来ました。その他にも、市町村と都道府県の役割分担に見直しや三泗地区を想定すれば、四日市市さんが中核市実現のために保健所を単独で設置したものの、危機管理の観点から論点を整理しなければならないと強く感じました(医療や福祉、健康などの各種団体から支障を来す声が聞こえていないというのは、平時のみだと認識することは忘れてはならないと思います)。

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災害時要援護者への適切な対応は、平時からの財政問題も含めて今後さらに議論を深める必要を痛感しましたが、何よりも全体を俯瞰した中で現場に必要な支援を一つ一つ積み上げていくことが大切だと確信しました。

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               【既存の施設に改良を加えさらに多くの障がい者が入場可能に】