石原まさたかの痛快!風雲日記(2.0)

使い方は追々考えます(笑)

加速が求められる土砂災害対策

過日、菰野町在住の鉄を素材にしたオブジェを制作する 銅谷祐子 さんの彫刻展にお伺いしました。

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これまでも何度か足を運んでいますが、今回も馬の表情や躍動感が溢れる素晴らしい作品ばかりでした。銅谷さんは、基本的に鉄を素材にして馬をモチーフにした作品を制作されており、この鉄と馬の組合せで活動されているのは日本でただ一人ということでした。

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ご承知のように鉄は錆に弱いので、屋外に置かれている作品のメンテナンスでの苦労話などをお聞かせ頂きました。この数年が勝負の年らしく、精力的に個展などを開催して行きたいとのことでした。11月30日(日)まで ガレリア・デ・アルテ で開催されていますので、馬好きの方もそうでない方も足をお運び下さい。

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全国治水砂防促進大会 に出席しました。大会の特別講演として、富山県知事である石井隆一さんから「立山・黒部の世界文化遺産登録への取り組み ~立山砂防と世界の防災遺産~」と題したお話がありました。明治時代にお雇い外国人として日本の治水に尽力したヨハネス・デ・レイケ(ちなみに当町の朝明地内にある砂防えん堤も彼の設計です)ですら「手の施しようがない」と言った立山及び常願寺川の治水砂防事業を、日本の砂防の父と言われる 赤木正雄 先生が国直轄事業として尽力された歴史などに触れつつ、このような歴史的にも意義のある立山・黒部の治水防災施設を世界文化遺産へ登録していく決意を述べられました。

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続いての大会では、会長である綿貫民輔さんが議長を務められました。

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国土交通省砂防部長である大野宏之さんから「砂防行政の新たな展開」と題した講義がありました。平成26年の全国の土砂災害の発生状況(平成26年10月31日現在)は、件数としては1,043件(土石流など305件、地すべり57件、がけ崩れ681件)で、死者82名、負傷者54名、全壊家屋154戸となっています。ここ数年の平均数としては、土砂災害発生件数はおよそ1,000件、死者およそ30名ですので、発生件数は平年並みとなっていますが、死者数に限っては3倍近く に上り、特に、8月に広島市で発生した土砂災害の規模は大きかったと言わざるを得ません。お亡くなりになった方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆さんにお見舞い申し上げます。

ただ、広島市での災害においても適切に治水砂防施設が設置してある地域については、砂防えん堤の機能が発揮され、相当量の土石流をせき止めています。危険箇所の土地利用については、事前に十分なる協議は必要だと認識していますが、適切な治水砂防事業に取組めば未然に防げる災害もあることも事実です。年々減少の一途を辿って来て、ここ数年はなんとか横ばいではありますが、「公共事業=悪」の図式を越えて、必要な予算措置はしなければならないと思います。

また、土砂災害防止法が改正され、市町村の地域防災計画に土砂災害に関わる事項などを定め、避難場所や避難経路、情報伝達などを含めた体制の充実強化が必要となります。菰野町としても早急に取り組んで参りたいと存じます。

最後に、
●改正土砂災害防止法の徹底を!
●事業の強力な推進を!
伊豆大島や広島災害等の教訓を今後の対策に!
●大規模土砂災害対策の強化を!
●防災・減災活動の充実を!
などを柱とする「加速が求められる土砂災害対策」と銘打った提言を採択し、閉会しました。