石原まさたかの痛快!風雲日記(2.0)

使い方は追々考えます(笑)

「未来は過去の延長線上にはないのだ!」

過日、公益社団法人 三重県医師会三重県 の共催によるトップセミナーに出席しました。冒頭に三重県副知事の稲垣清文さんと三重県医師会長である青木重孝さんのご挨拶があり、写真が無いのが残念ですが、青木さんの挨拶では、三重県の今後の医療体制の取り組むべき課題として、がん治療を含む一般的治療の均霑化と高度医療の集約化の2点を指摘されました。このことは在宅医療や地域包括ケアシステムとの関係もあり、極めて重要な課題であり、基礎自治体も大きく関わる問題であると認識しました。

第1部では、松田晋哉さん(産業医科大学 医学部 公衆衛生学教室)による「地域医療構想のこれから」と題した講演がありました。他の都道府県も同様ですが、三重県は平成29年3月に三重県地域医療構想を策定しました。ここの議論では、2025年に向けて、病床数を全国ベースで15万床削減することが注目されており、三重県では特に松阪市以南での削減の行方が注視されていました。この削減に関しては、松田さんは人口が減少するのであるから病床数も減少するのであり、あまり煽情的に考える必要はなく、それよりも各医療機関が地域における自らの施設の役割をデータに基づいて把握することが重要であると述べていました。
また、高度急性期、急性期、亜急性期、回復期、慢性期を明確に区分せずに、それぞれの病態に応じての機能連携や介護や在宅医療などのサービスを臨機応変に活用することの重要性を指摘していました。そのためにも特に、市町村は医療と介護のデータを連結させる仕組みづくりに関与しなければならないと感じました。

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他にも、医療や介護政策と公共交通政策や住宅政策、都市計画などの連携が重要であることや三重県の中勢伊賀医療圏における肺炎による死亡の約4割が誤嚥性肺炎であることなど興味深い議論が含まれていました。
当町における病床機能報告、開業医の診療状況、介護施設の現状を早急に分析し、社会福祉協議会のあり方を、病院(急性期、回復期、慢性期)、診療所、訪問介護、介護事業者、薬局などを含めて根本的に再考する時期に差し掛かっていると痛感しました。

続いて、衆議院議員石破茂さんから「人口減少と地方創生」と題した講演がありました。明治初期に3,000万人~3,500万人であった日本の人口が、現在、約1億2,000万人であり、2100年には5,200万人にまで減少すると予測されていることに始まり、「未来は過去の延長線上にはない」ということを強調されていました。2020年には女性の半分が50歳以上になるという眼前の厳然たる事実が何を意味するのかを、我々は真剣に考えなければなりません。

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大量生産大量消費の時代の経済構造から脱却しつつ、国際競争に打ち勝つことの可能な産業を育成しながらも、第一次産業を成長させることが重要であると述べられたことは、心強く感じました。財政の話には触れられませんでしたが、この日の石破さんの話を繋ぎ合わせれば、自ずと答えは出ていると思います。他の公務の関係で三重県知事の鈴木英敬さんの話を聞けなかったのは残念でしたが、話に熱が帯びると時々鋭い眼になる石破さんを見ることができ、良い機会となりました。

過日、本年4月1日付けで三重県四日市地域防災総合事務所長に就任した永納栄一さん来庁されました。6月下旬の菰野町消防団夏期訓練にもお越し戴きましたが、着座で話をするのは初めてでした。全国各地で集中豪雨の被害が発生していますが、防災減災の観点からご指導賜りますようお願い申し上げます。

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